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なぜ今、クローズドポッドキャストなのか

コラム音声配信

音声コンテンツの広がりと、企業の情報発信が抱える課題を踏まえ、つなぐVoiceがクローズドなポッドキャスト配信に取り組む理由をまとめました。

つなぐVoiceのコラム第1回なので、まずは「なぜ今、クローズドポッドキャストなのか」という話から書いておきたいと思います。

正直に言うと、最初から「ポッドキャスト市場が伸びているから、うちもやろう」という話ではありませんでした。もちろん、音声コンテンツの流れはあります。

アメリカの調査にはなりますが、Edison Researchの「The Infinite Dial 2026」では、12歳以上のアメリカ人の80%が、これまでにポッドキャストを聴いた、または見たことがあるとされています。

引用:「80% of Americans age 12+ have ever listened to or watched a podcast」

出典:Edison Research「The Infinite Dial 2026」

また、IABとPwCの「Internet Advertising Revenue Report: Full Year 2025」では、2025年の米国デジタル広告市場が約3,000億ドルに達し、前年比13.9%増となったことが示されています。

これはポッドキャストだけの数字ではありません。なので、ここを都合よく切り取って「音声市場が伸びている」とだけ言うのは少し乱暴です。ただ、生活者が音声や動画を日常的に受け取り、企業側もデジタル上での情報接点に投資を続けている。この大きな流れは、やはり無視できないと思います。

日本でも、電通の「2025年 日本の広告費」では、インターネット広告費が4兆459億円となり、総広告費に占める構成比が初めて50%を超えたとされています。

これも、社内向けポッドキャスト市場の数字ではありません。でも、企業の情報発信が紙やテレビだけではなく、デジタル中心に移っていることは分かります。

その中で、私たちが考えたのは、「では、企業の中の情報発信はどうなのか」ということでした。

社外向けの発信は、かなり進んでいます。Webサイト、動画、SNS、広告、オウンドメディア。企業は外に向けて、さまざまな手段で情報を届けています。一方で、社内や関係者向けの情報発信は、まだまだメール、PDF、チャット、社内ポータルに頼っているケースが多いように感じます。

もちろん、それらが悪いわけではありません。むしろ必要です。ただ、現場で話を聞いていると、「出しているけれど、届いている感じがしない」「読まれているのか分からない」「経営メッセージが、どうも事務連絡のように見えてしまう」「動画を作っても、見る時間がないと言われる」。こういう声は少なくありません。

実際に、代理店やクライアントからも、「社内向けにポッドキャストのような配信はできないか」、「社員や関係者だけに、音声で情報を届ける仕組みは作れないか」といった相談を受けるようになってきました。

この相談が出てきたことは、私たちにとってかなり大きかったです。なぜなら、それは単に「流行っているからポッドキャストをやりたい」という話ではないからです。

企業の中で、伝えたいことはある。でも、今の伝え方だけでは届ききっていない。あるいは、届いているかどうかが分からない。その隙間に、音声という選択肢があるのではないか。そう感じました。

音声の良さは、画面を見続けなくても受け取れることです。移動中でも、作業の合間でも、少し耳を向けることができます。そして、もうひとつ大きいのは、声には温度が残ることです。

経営者の言葉も、部門長の説明も、研修の補足も、文章にするとどうしても硬くなります。もちろん文章は必要です。でも、声で聞くと、少し受け取り方が変わることがあります。

言葉の間。話す速度。少し迷いながら話す感じ。強く伝えたいところの熱量。そういうものは、テキストだけではなかなか伝わりません。

一方で、企業の情報は、何でもオープンに出せばいいわけではありません。経営方針。社内向けの説明。拠点への共有。加盟店や取引先への連絡。研修内容。まだ社外に公開しない情報。限られた人だけに伝えるべき話。

こうした情報を、YouTubeや一般的なポッドキャスト配信サービスにそのまま出すわけにはいきません。だから、クローズドである必要がありました。

誰でも聴けるのではなく、必要な人だけが聴ける。配信して終わりではなく、聴かれたかどうかも見られる。反応を見て、次の内容を変えていける。ここまで含めて、企業向けの音声配信だと思っています。

企業コミュニケーションの課題は、海外調査にも出ています。Microsoftの「Work Trend Index Special Report」では、平均的な働き手が1日に117通のメールを受け取っているというデータが紹介されています。

出典:Microsoft「Breaking down the infinite workday」

これも海外データなので、日本企業にそのまま当てはめるものではありません。ただ、情報が多すぎる、通知が多すぎる、全部を丁寧に読む余裕がない、という感覚は、多くの職場に共通しているのではないでしょうか。

さらに、Gallupの「State of the Global Workplace: Japan Country-Level Data」では、日本の従業員エンゲージメントは8%とされています。これも、数字だけで何かを断定するつもりはありません。ただ、会社からの情報が、社員の気持ちや理解にどれだけ届いているのか。そこを見直す必要はあると思います。

つなぐVoiceは、単なる音声配信システムとして作ったわけではありません。私たちは映像制作会社として、長く企業のメッセージを形にしてきました。会社紹介映像、採用映像、IR、研修、トップメッセージ、イベント映像。いろいろな形で、企業が伝えたいことを整理し、映像や音声にしてきました。

その中で感じていたのは、コンテンツは作って終わりではないということです。作る。届ける。見られる。聴かれる。反応を見る。次に直す。ここまでやらないと、企業の発信は本当の意味では機能しにくい。

だから、つなぐVoiceでは、クローズドな配信環境だけではなく、企画、収録、編集、配信、視聴データの確認、改善提案までを含めて考えています。

企業の声を、必要な人に届ける。しかも、外に広げるのではなく、まずは内側にきちんと届くようにする。これは、これからの企業コミュニケーションにとって、かなり大事なテーマになると思っています。

ポッドキャストが流行っているから作った、というより、企業の情報発信が「出すだけ」では足りなくなっているから作った。その方が、つなぐVoiceの出発点としては近いです。

今後このコラムでは、社内コミュニケーション、音声配信、インナーブランディング、企業の情報発信に関する動きを取り上げながら、つなぐVoiceの視点で少しずつ整理していきます。

具体的な使い方については、別ページの「活用シーン」や「仕組みと始め方」で紹介していきます。このコラムでは、その手前にある、「なぜ今、こういう届け方が必要なのか」を考えていきたいと思います。

本記事は、株式会社サイズビジョンが運営するつなぐVoiceの編集チームが、業界動向をもとに作成しています。

参考にした出典:

Edison Research「The Infinite Dial 2026」

IAB / PwC「Internet Advertising Revenue Report: Full Year 2025」

株式会社電通「2025年 日本の広告費」

Microsoft「Breaking down the infinite workday」

Gallup「State of the Global Workplace: Japan Country-Level Data」

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